
ロイス・マクマスター・ビジョルド著 創元SF文庫刊
久しぶりすぎて何年振りか忘れたけどビジョルドのヴォルコシガン・サガ、続編の登場です。長かったー…。出版社さんにも色々事情があるとは思いますのでアレですが、これが出たということは、話の内容としては続いているという「シヴィル・キャンペイン」は出ると思ってよかですか?出来れば今度は6年とか間をおかないで頂けると…って年数書くまいと思ったのに書いちゃったよ!まあ嫌なら原書で読めという話なので、気長に待ちます。
久々、というのに読み始めたらやっぱり止まらない面白さ。
コマール人女性とバラヤー皇帝との結婚を目前に、コマールでミラー衛星の爆発事故が起きる。史上最年少で聴聞卿となったマイルズは、同僚と共に事故原因の究明にコマールに向かうが…
コマールとバラヤーの関係は今は落ち着いているものの、何が起こるか分からない扮装地帯でもあり、微妙な時期に起きた事件が、単なる事故なのか、それとも政治的な陰謀なのか、見極めるのがマイルズ達の仕事。その仕事と並行して、マイルズが出会ったバラヤー人のヴォル・レディ、エカテリン。彼女の自立と成長が描かれたW主人公ものになってます。話の比重としては、マイルズよりもエカテリン寄りかな?二人の人物の視点が交互に描かれる事で視点がブレてしまうのが残念だけど、これからメインになるエカテリンの内面を描いたと思えば仕方がないか。
マイルズは、文字通りほとんど何でも出来る権限がある聴聞卿になって、どこまで、何をしていいか、に迷い却って行動が出来ない状態。そこから自分の仕事のやり方を作っていく姿を書いているんですが、マイルズの成長、転換自体は既に「メモリー」で書かれているので、その辺は揺らぎがないんですよね。どちらかというと、エカテリンという要素に揺れ動いている感じ。
一方のエカテリンは、マイルズと同年代の既婚女性で、古風な考えのヴォル女性。その彼女が頸木から解き放たれて自立していく姿や彼女の葛藤が本書のメイン。終盤の彼女を見ていると、なるほどマイルズの好きなタイプは一環してるなーと感心した。外見だけじゃなくて、中身もね(笑)。障害となる旦那さんがああなってしまうのはちょっと都合がいい気もするけど、それ抜きに彼女の自立を書こうとすると、マイルズが何の関係もないエカテリンの物語になってしまうからなあ。
これから先がどうなるか、と言う所で終わっているので、続きが待ち遠しい。
そんなわけでしばらくヴォルコシガン・サガを読み返してたんだけど、最初の方の話はマイルズが本当に青臭い。あんな少年だったんだなーと懐かしくなった。読みかえしていて一番面白かったのが「メモリー」なのは、マイルズの、「ネイスミス提督」からヴォルコシガン卿への復帰が書かれているから。何よりイワンとの掛け合いが楽しかったなー。イワンが(主にマイルズのせいで)ちょっと不幸な目にあっているのが好き。「親愛なるクローン」の笑いどころは主にイワンだったし。そんなわけで次作ではイワンが活躍してることを祈ってます。