青木祐子著 集英社コバルト文庫刊 3冊連続刊行の3冊目。ちょっと大人びたパメラが表紙。雑誌に載っていた短編2編と書き下ろし中編が1本。短編はどちらも好きだったので収録されて嬉しい。クリスは、本人視点の時よりも他の人から見た時の方が穏やかで静かだけど、誰よりも強い人、というのが分かる気がします。誰でも自分の事より他人の事の方がよく見えるものだけど、クリスの分析力はすごいというしかない。 そして書き下ろしのパメラのお話。ここ最近のお話の裏話にもなっていて、ある意味本編の一つといってもいいかも。晩餐会の様子も描写されてましたが、実はクリスよりもパメラの方が気を張ってたんだなーというのがよく分かる。コーネリアもフローレンスも自分たちに出来る方法で二人を庇ってくれていたんだなー。やっぱりこの話の女性たちは皆、それぞれに魅力的だ。 そしてリンダの事や、本編では語られなかったイアン先生との事、パメラの出生の事。色々な事が出てきた話なんですが、何よりキュンとしたのはやっぱりパメラとクリスの友情が描写される場面。ロンドンからリーフスタウンにやってきて、肩を寄せるようにして生きてきた二人の少女が、大人になってそれぞれに愛する人ができて、違う道を進む日がやってくる。でも、離れていても友達じゃなくなるわけではないんだものね。 寂しいけど、こうやって大人になっていくんだなーという感慨もあり、嬉しくもあり。お互いにタイプが違う二人だから、親友になったのかもしれないなあ。パメラが自分を「マリア」から連れ出してくれたクリスの為なら何でもできると思っているように、クリスはパメラが幸せになることが一番大切だからと思っていて、この二人のこういう所が本当に大好き。 物語が終わりに近づいているのがはっきり分かるのは寂しいけど。やっぱり。恋愛方面では、大方の予想通りになったわけですが、鈍いし、煮え切らないし、なのに肝心なところでは頼りになってしまうのがイアン先生の憎いところ。アントニーは不憫なのが可愛いからいいんだ…。というか、ヒーローはパメラでヒロインがイアン先生とアントニーだった気もします、恋愛面では特に。 そしてモノローグが入らないシャーリーは頼りになってカッコいい男なんだなーとかしみじみ思った。偉そうな態度取ってても、アントニーの体調気にして見にきちゃう所が可愛いよ。 残すところは後1冊。ここまできたらハッピーエンド以外見たくありません。そして頑張れアントニー、幸せになって!今回もエドに蹴られてたけど(笑)
by yamanochika
| 2011-11-02 19:36
| ライトノベル
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