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拮抗

ディック・フランシス&フェリックス・フランシス著

亡き祖父から受け継いでブック・メイカー業を営んでいるネッド・タルボット。ある日父親を名乗る人物が現れる。幼いころから死んだと聞かされていた父の登場を信じられないネッドだが、父ピーターは詳しい話をする間もなく、強盗に殺害されてしまう。オーストラリアで暮らしていたという父は何か後ろ暗い事に関わっていたのか。

競馬を巡る人たちの内、ブックメイカーに焦点を当てた1冊。ネッドの父が殺された事件とほぼ同人進行で、競馬場で突然起きた電波障害とそれによって大手ブックメイカーが損を被った事件が語られていく。イギリスの競馬システムと日本の競馬のオッズの付け方が違うのでとまどったけど、いまどきの競馬事情のハイテク化が面白かった。そういう意味では、ネッド達が自分の商売を乗っ取ろうとした大手ブックメイカーに仕掛けた詐欺が作品の頂点で、一番興奮した部分。そのあとの出来事も大変な事件には違いないんだけど、ややエピローグ的に感じてしまう。
by yamanochika | 2013-06-16 16:09 | 海外ミステリ
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