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静かな水のなかで


ヴィヴェカ・ステン著 ハヤカワミステリ文庫刊

風光明媚なリゾート・アイランドで起きる事件に挑むスウェーデン発ミステリの新シリーズ。

サンドハムン島で魚網に絡まった遺体が発見される。死後数カ月を経ており、身元もすぐに判明。事件の担当者となったトーマス・アンドレアソン警部も事故と判断しかけるが、男性の従妹が殺害されたことから「事件」は急展開。島に住む女性弁護士で幼馴染のノラの助けを借りながら事件の捜査を進めるトーマスだったが…

最近はスウェーデン他北欧ミステリが熱い。ということで新しい北欧ミステリが1冊。風光明媚な島が舞台ということで、都市部を舞台にした小説とはまた違った趣がある。とはいうものの、この作品の一番のポイントはトーマスやノラを取り巻く舞台や彼らの生活。幼い娘が突然死したことで妻と離婚し、その痛手から立ち直れていないトーマス。キャリアの転換期を迎えたのに、夫の協力を得られず苦しむノラ。彼等の苦しみや、人生に共感出来るかどうかが作品を楽しめるか否かの境目になると思う。
by yamanochika | 2014-01-20 00:18 | 海外ミステリ
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