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人魚姫

カミラ・レックバリ著 集英社文庫刊

エリカ&パトリック事件簿

エリカの友人で図書館員のクリスチャンが「人魚」という小説で作家デビューを果たす。執筆中にアドバイスを求められ手助けをしていたエリカも出版記念パーティに招かれるが、その席上でクリスチャンに脅迫状めいた手紙が来ていることが発覚。やがてクリスチャンと3か月前に行方不明になった中年男性が友人関係にあった事が分る。彼らの過去に一体何が。そしてクリスチャンを殺したいほど憎んでいる相手は誰なのか?

前作で判明した妊娠のためなかなか自由に動けないエリカ。エリカと妹のアンナのパートが明るいだけに、合間にさしはさまれる虐待されている少年の物語が重苦しい。このシリーズでは虐待される子供たちがたびたび登場しますが、生き延びた子供たちの未来が明るいものとは程遠い事が多く、暗欝とした気分になります。そうした中でコメディリリーフといえるメルバリの存在は貴重。嫌な部分は相変わらず、しかし愛きょうを増していっているメルバリにはこのまま自分の道を行って欲しいです。

またまたとんでもない幕引きで次に続いているので早く次巻が読みたい。
by yamanochika | 2014-05-09 00:05 | 海外ミステリ
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