綾辻行人 著 角川文庫刊
アニメ化もされたジュブナイルホラー。 ホラーというか、条件を設定して、超常現象を普通にあると範囲を狭めた上で、誰が蘇ってきた死者なのかを推理する推理小説といった方がいいかもしれません。推理小説という観点でいうと、なるほど!という思いと見事に騙された爽快感で気持ちよく読めた。 中3の1年だけ母親の実家がある田舎の町に引っ越すことになった主人公の恒一。父は1年間のインド出張で、祖父母以外には誰も知り合いがいない町に住む事になった少年の孤独。美しい少女への思慕。最初は死者なのか、生者なのか分らない存在だった鳴が、生きた少女として降りてきて、彼女と秘密を共有しているという特別感。人の輪に入れない孤独、入らない事で味わう優越。色々なものが混ざった青春小説としても甘酸っぱくて楽しい。 後味が爽やか、というのには少しほろ苦いんですが。
by yamanochika
| 2014-05-09 00:25
| 国内作家
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