シャルロッテ・リンケ著
創元推理文庫刊 ヨークシャーの古い屋敷で休暇を過ごしていたドイツ人グループ。三組の夫婦と子供たちがある晴れた日に子供を含めた5人が殺害され発見された。いったい彼らに何が起きたのか? 一見するとサイコ風なあらすじだけど濃密な心理劇。自分を屋敷の相続人と遠縁だと名乗る屋敷に取り憑かれた男が登場したり、上巻は事件前の屋敷の異様な雰囲気が最近彼らの一人と結婚したばかりの妻の視点から語られていく。嫌な雰囲気、何かが起こりそうというところで事件が起き一気に話が動いていくんだけど、心理劇としての本題はそこから。何が彼らを結び付けていたのか。この歪な関係の始まりは何だったのか。 そこに読者の目を引っ張っていきながらそこが主題にならない所に読み応えがある。下巻、特に最後の3分の1は本文から目を離せない面白さ。重たいテーマをさらっと読ませる力量に感心した。
by yamanochika
| 2014-12-27 09:30
| 海外ミステリ
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