ゼルプの殺人

ベルンハルト・シュリンク著 小学舘刊

三部作の3作目から読み始めたので、掉尾を飾る作品を読んだという実感はない。
東西ドイツが統合した頃を舞台に、まだ乖離しているドイツの実情、老いと向き合うゼルプ、ナチスの亡霊とユダヤ人というドイツならではのキーワードが混じり合いながら、白黒ははっきりしない結末へたどり着く。東ドイツが消滅し故郷を失った人々、老いていく自分を自覚する老人。物悲しい雰囲気が漂いつつ、日常に戻って人生は続いていく。読後の味わいが何とも言えない。複雑な物語が展開し、ミステリとしての謎解きも存分にあるのですが、純文学を読んだ気分。
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by yamanochika | 2017-01-07 16:22 | 海外ミステリ

日々読んだ本の記録。他映画、漫画等の感想などあれこれ。感想はネタバレありです。ご注意下さい。
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