凍った夏

ジム・ケリー著 創元推理文庫刊

公営アパートで肘掛椅子に座ったまま凍死した男が発見された。自殺の可能性が高いとされたが取材のため訪れた新聞記者ドライデンは疑問を覚える。死んだ男は金に困っていたが、部屋のコイン式電気メーターには硬貨が補充されたばかりだった。自殺する人間がそんな行動を取るだろうか。やがて死んだ男が、今話題になっているカトリック教会の孤児院で起きていた児童虐待事件の証人の一人だったことが分かる。何か関連があるのか。調査を進めていくうちに、新たな謎が浮かび…。

ドライデンシリーズの4作目。大寒波が訪れた冬が舞台でありながら、物語の中核を占めるのは夏の話。事件の捜査を進めていくうちに、驚くべき事実が明らかになるのですが、単に殺人事件というよりも子供たちの未来が殺されてしまったのだと思うと切ない。大した問題が無かったと思うのは事件を起こした人間だけで、そのせいで将来も希望も失われた人たちがいるというのが大きなテーマで、だからこその邦題なのかと思う。ドライデンの妻、ローラの状態が回復するにつれ新たな問題が起こされてドライデンが更に追い詰められていくのもまた切ない。

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by yamanochika | 2017-07-23 22:43 | 海外ミステリ

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