スーザン・プライス著。ポプラ社刊。
上巻「復讐のちかい」 下巻「裏切りの剣」 という副題を裏切らない内容でした。昔、高校生位の頃、カーネギー賞を受賞したという宣伝文句に惹かれて「ゴースト・ドラム」という話を読んだことがあるんですけど、これがもう、トラウマになりそうな暗い話。ロシア民話を元にしているだけあって、作品中は常に雪が吹雪いているような薄暗い雰囲気だし、いい人は間違いなく殺されて、そもそも主人公も話の途中で亡くなってしまうという。ただその分、作品の印象は強烈に残っていて、ストーリーの細かい内容は忘れてしまった今になっても記憶から消えない作品にでした。 でその作者が本作品の著者、スーザン・プライス。サクソン人やデーン人が支配していたころのブリテン島を舞台に、オーディンの多神教を信仰する人々と、新たな神キリストを奉る人々との争いを、北欧神話を背景に書いた作品。具体的には、エルフと王の間に生まれた息子、エルフギフトとその異母兄弟達との争いになるんだけれど、予想していたとおり、相当血なまぐさい。主人公であるエルフギフトにも裏切りの神とも呼ばれるオーディンの呪いは容赦なく降りかかり、最後の陰惨な戦いへと続いていく。ユルの祭りと、それに先立つオーディンの儀式には圧倒される。きつい内容ですが、惹きつける力はすごい。
by yamanochika
| 2007-03-22 01:53
| 児童文学
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