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流血女神伝 喪の女王6

須賀 しのぶ著 コバルト文庫刊。

表紙のグラッチ姉さんが美しい。暗殺者によって倒れたドーンを巡る人々の心情が書き込まれた巻でした。ミュカも、グラーシカも、もちろんサラもみんなドーンを大切な人だと思っているのに、それでも違う場所からしかドーンを見ることが出来ない。彼らが一致団結すれば、ドーンにとっても何よりも幸いな事なのに。という、立場の違いによりお互いを信頼しあえない人々の切なさが浮かんできて、全体的にしんめりした巻でした。お話としてはそれほど進んでいないんですが。後、お笑い担当は全てエド。ツッコミがいない天然ボケはどこから突っ込んでいいのかわかりません。こう、悩んでいる所のポイントが違うだろ!と盛大に突っ込んであげたい…。

そして久々にラクリゼが登場。戦う力を失い、後は老いていくだけ、と言われているサルベーンが切ないですが、メナイク大僧正の保護は愛のようでもあり、鞭のようでもあり。やっぱり愛だな。愛というのは厳しいものなんですよ。これからラクリゼとの間に救いはあるんでしょうか。あって欲しいな。

3人の国家元首の全体像が出てきてみると、ネフィシカの神頼みはやはりちょっと怖い。何より紙の思惑で国や人が動かされていき、人間の力が及ばないというのは嫌なので、ドーンには頑張って欲しいんだけど、ドーンがどうなったかは7巻に持ち越しなんだよね。後2冊、この巻が溜めで後は突っ走っていくだけのようですが、戦々恐々の気持ちで待ちたいと思います。
by yamanochika | 2007-05-13 07:08 | ライトノベル
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