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うちの一階には鬼がいる!

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著。東京創元社刊。

母親のサリーと再婚したジャックは鬼そのもの。子供が苦手でうるさい音がすると一階でがなりたてる。新しく兄弟になったダグラスとマルコムもいけすかない奴ら。そう思っていたキャスパー、ジョニー、グウィニー達兄妹。ある日ジャックがジョニーとマルコムに「騒動を防ぐために」会社の隣の道具屋で売っていた科学実験キットをプレゼントしてくれた。一見普通の実験キットだったがその中に魔法の粉が入っていて、兄妹は毎日騒動を引き起こしていく。やがてマルコム、ダグラスも騒動に巻き込まれていき、しまいには両親もそれに引き込まれ…。

タイトルはややホラーチックなんですが、いわゆるエヴリデイ・マジックもの。ぎくしゃくしっぱなしだった新しい家族がお互いに歩み寄り、本当の家族になるまでが書かれた作品。当初はキャスパー達兄妹だけの視点で書かれていますが、段々キャスパーがマルコム達の事情を思いやるようになったり、ジャックが子供達に譲歩するようになったり、魔法騒動が家族を結びつける役割を果たす小道具になってます。鬼呼ばわりされているけれど、ジャックは不器用な、口やかましいお父さんって所でしょうか。最後の最後まで鬼と呼ばれ続けていますが(笑)。

賢者の石は一個あったら便利そう。大体どんなエヴリデイ・マジックものでも空を飛ぶ話が出てきますが、ほぼどの話もろくな結末を迎えない。空を飛ぶのは憧れだけど、実際に使うには難しい能力ってことなんでしょうか。動物精は使いたくないなあ。読んでいた中では一番厄介そうだった。
by yamanochika | 2007-08-05 13:06 | 児童文学
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