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オラクルの光 風に選ばれし娘/予言に隠されし陰謀

ヴィクトリア・ハンリー著。小学館ルルル文庫刊

「ヒーラーズ・キープ」の物語と同じ頃、スリヴィーアの更に西、ソラナ国の物語。作中で、主人公のブリンがオラクル(預言)の導きによりモーレン候の死を言い当てるなど、ゆるい感じで繋がっています。

田舎の石工の娘ブリンは、預言を管理するオラクル寺院の大神官レンチャルドに見いだされ、巫女見習いとして寺院に入る。風に選ばれた巫女としてたぐいまれな予言の能力を発揮するブリンだが、大貴族の娘、ハゲワシに選ばれたクレアに呪いをかけられ、予言の力を無くしてしまう。その頃、病にかかったソラナ国の王女に対して2つの異なった予言が出されるが…。

先にヒーラーズ・キープを読んでいるので、国によって同じ物が違う表現をされていること、文化の違いが面白かった。ちょうど同時期に、同じような陰謀が企まれていたことになりますよね。この話は裏で繋がっているんでしょうか。ヒーラーズ・キープから癒し人が招かれていることもあるし、オラクル寺院の人々と、癒し人達が出会ったら面白そう。

それはおいておいて、学院ものとして、友情をはぐくむドーンとブリンの様子、何よりドーンの結婚のお祝いの為に仲間達が集まった時の様子が素晴らしいんですよね。これぞ学園ものの楽しみ、といった感じ。(正確には学園ものではないかもしれませんが)

呪いをかける力を無くしたとはいえ、ブリンが、そしてキランが、自力で呪いを解いたようにクレアもまた呪いを解いてしまうのではないか、気になります。その辺りも含めて、続きを読んでみたいです。
by yamanochika | 2008-04-08 00:41 | 児童文学
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