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ブライトノミコン リズラのはちゃめちゃな一年間

ロバート・ランキン著 創元推理文庫刊。

2日前、ブライトンの海で死亡したぼくは、謎の人ミスター・ルーンに助けられる。記憶を失ったぼくは自らを神秘の探偵、麻薬愛好家、宇宙刑事、オカリナに新たな力を与えし者等となのるミスター・ルーンの解決する12の事件の記録者として血の契約を交わし、ブライトン十二宮をめぐる冒険に関わることになるのだが…。

表題のブライトノミコンはブライトンとネクロノミコンをかけた造語だけど、クトゥルー神話に出てくる書物とは何の関係もなし。内容はとにかく変な話。最初はその変さ加減に戸惑うんだけど、一回その変ワールドに入り込んでしまうと楽しくなるというか、病みつきに。

基本的にヘンテコな都市伝説に彩られたおかしな話が続くんだけど、1回2回3回と続く内に、ボディブロー喰らっているみたいにじわじわ効いてきて笑えるようになるんだよね。偉大な人であるミスター・ルーンを世界が養うのは当然という信念のもと、何があっても金を払わないミスター・ルーンが、ほぼ毎回タクシー運転手に行う暴行とか、二人の行きつけパブのバーテンファンジオとのやり取りとか。しまいには、ただの傍若無人な変人に見えたミスター・ルーンがだんだん偉大な人に見えてきてしまうという。

だからといってリズラみたいに、ミスター・ルーンの記録者としてかけずり回りたいとは思わないけど。
by yamanochika | 2008-11-04 00:50 | SF・FT
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