ジュリー・ベリー著 創元推理文庫刊

10代の少女7人が在籍する小規模な寄宿学校で、日曜日の夕食中、校長先生とその弟が突然息絶えてしまう。それぞれの事情から家に帰りたくない生徒達は事実を隠ぺいし、学校生活を続けようと奮闘するのだが…。

19世紀末のイギリス、良家の子女の為のフィニッシングスクールが舞台。冒頭に作中には登場しない、生徒たちに関係のある人物の紹介があり、まずはこの学校に在籍することになった女生徒たちの人となりが読者に示される。彼らの事情や性格が提示された状態でショッキングな事件から物語の幕が開けるわけですが、死を隠ぺいしようとしてもなかなか上手くいかず、次から次へとやってくる訪問客にあたふたしつつ、とっさの機転を利かせてピンチを切り抜けいく様が面白い。
最初の舞台設定からブラックユーモアかと思いきや、10代の少女らしくパーティや身近な男性に心をときめかせたり、少女たちのキュートさが全面に出た冒険小説といったところでしょうか。伏線や小道具もばっちり揃えられ最後は探偵役を務める少女により事件の真相が暴かれるので、推理小説としてもよく出来た作品。

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by yamanochika | 2017-10-20 23:41 | 海外ミステリ

ヨン・ヘンリ・ホルムベリ編
ヘレンハルメ美穂・他訳
ハヤカワ・ミステリ刊

スウェーデン作家による短編ミステリ17篇を集めたアンソロジー。
冒頭に編者によるスウェーデンミステリの歴史、また本アンソロジーに収録された作家の簡単な紹介があり。収録されている作品は様々ですが、おそらく一番の目玉は「ミレニアム」シリーズの著者スティーグ・ラーソンによる短編になるのでしょうか。
短編を集めたということで正統派のミステリよりも、少しひねった作品やホラーのような味わいの作品も多いですが、個人的に一番満足したのはヨハン・テオリンによる「乙女の復讐」。エーランド島四部作では漁師を引退し、年老いた姿で登場するイェルロフがまだ現役時代の話。シリーズ中で亡くなった人も元気な姿で登場し、シリーズファンとして感慨深い。


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by yamanochika | 2017-10-20 23:18 | 海外ミステリ

霧の島のかがり火

霧の島のかがり火

メアリー・スチュアート著
論創社刊

ロンドンでファッションモデルをしているジアネッタはエリザベス2世戴冠式の人混みを避け、休暇でスカイ島を訪れる。島では数週間前に儀式殺人を思わせるような殺人事件が起きており、事件現場となった山はどこか不穏な雰囲気が漂っていた。そんな中再び事件が起き…

ロマンティックミステリと言うか、サスペンス。ヒロインのキャラクター造形や山に漂うどこか神秘的な雰囲気が最後まで損なわれないのはいい。ある意味山や島の雰囲気が事件に密接に関わっているので、背景込みで楽しむ作品だと思う。

作家さんの名前が歴史上の人物と被っているので驚きましたが、本名だそう。最近映画化されたメアリと魔女の花の原作者でもあるんですね。見てみれば良かった。

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by yamanochika | 2017-10-08 18:04 | 海外ミステリ

日々読んだ本の記録。他映画、漫画等の感想などあれこれ。感想はネタバレありです。ご注意下さい。
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