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迷路

フィリップ・マクドナルド著 ハヤカワ・ミステリ刊

退役軍人のゲスリン大佐の元に届けられた一通の手紙。それはロンドンで起きた資産家殺人事件に関する裁判の記録だった。警察側の捜査は行き詰まっており、裁判でも事件の真相は不明なまま。裁判での各証人の証言や証拠から事件の真相を推理して欲しいという警察からの依頼にゲスリンは答えられるのか。

純粋に事件の裁判記録からだけで推理をする、知的パズルのような作品。論理を積み重ねていって矛盾点をつまみ出せばそれで犯人が推理出来るのですが、なかなか難しい。人間ドラマや重厚なストーリーを期待すると物足りないけれど、パズルとしては上出来だと思う。

作品とは関係ないですが、著者はジョージ・マクドナルド氏の孫なんだそうで、子供の頃に「マクドナルド全集」を読んでいた私としては、作品の内容よりそっちに興奮してしまいました。「王女とゴブリン」や「北風のうしろの国」、面白かったなあ。
by yamanochika | 2009-01-14 23:54 | 海外ミステリ
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