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遙かなる復讐の旅

マイケル・ギルバート著 角川文庫刊。

自分の事業を人手に渡し、イタリア山中の村で機械の修理を請け負う代わりに農家を泊まり歩き、のんびりとした旅を楽しんでいたジョン・ベネディクト。しかし彼が世話になっていた一家が、勤めていた工場の内紛に巻き込まれ、マフィアによって無惨に殺害されてしまう。運良く難を逃れたジョンも、マフィアの手を逃れる為逃亡する事に。イタリア山中からフランス、やがてはイギリスまで逃亡が始まった…。

マフィアの背後にいる巨大国籍企業にどう立ち向かうか、が一つのテーマになっているのですが、主眼となるのはイタリアから山間部を越えマルセーユに逃れ、更にマフィアの監視網をかいくぐるジョンの冒険劇。どうやって彼らの裏を掻くか、まさに手に汗を握る冒険の連続で、知恵を絞る様にわくわくした。後半の巨大企業への復讐は現実な内容で、勧善懲悪な話にならない点がリアル。落としどころが上手いが、復讐劇の爽快感を求めていると肩透かしを食らうかも。
by yamanochika | 2009-07-17 00:58 | 海外ミステリ
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