ジョゼフ・ディレイニー著 東京創元社刊
シリーズ6作目。タイトルがタイトルなだけにグレゴリー爺さんがどうにかなってしまうのかとドキドキした。あらゆる意味で、魔使い達が払った犠牲の話になってます。 ギリシアにもどった母から、7年に1度、異界から現れる邪悪な女神を倒すため、協力を依頼されギリシアに向かうことになったトム。その旅には「協力者」としてペンドルの魔女までが同行することに。ギリシアでトム達を待ち受けるものは…? 明言はされてなかったと思うけど、舞台となっているのは恐らくイングランドかスコットランド。魔女狩りと内戦が続いている状態から17世紀ごろでしょうか。徐々に悪化していく国内の戦争、そして力を蓄えてきた恐ろしい魔女や怪物たち。毎回、魔使いたちが対峙する化け物や戦いの描写はすさまじく、血が凍りそうなほど怖い。今回も例外ではなく、城の宴会の場面は最初が穏やかだった分、その後の塔内での描写より怖かった。母さんの正体については、予想の範囲内かなあ。グリマルキンは恐ろしい魔女なのに、気風がよくてさばさばしていて何だかかっこいい。グリマルキンが死んだ後ゾンビ化して甦ってきたらショックだ。 今回トムが払った犠牲は、本人が思っている以上に大きいものですが、その分話が核心に進んでいるようで、段々終わりが近づいているような感じ。次がどんな風にまとめられるのかが気になるんだけど、本国でもまだ出版されていないんですよね。ヤングアダルト向けだし、トムが1人前になる所が話の区切りなんだろうと思ってるんですが。 思春期の少年が主人公ということで、トムを巡る恋愛のような描写も増えてきたんですが、回りにいる少女たちがトムより1,2歳年上な上に、女の子の方が精神的に早く大人になっているものだから、友情以上恋愛未満のような描写になっていて、あと1歩の踏み込みがないのにむずむずします。トム、いい加減気付けよ!みたいな。トムがもうちょっと大人になったらこの辺も解決するんだろうけどね。
by yamanochika
| 2011-05-22 01:54
| SF・FT
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