クリスティン・カショア著 早川文庫刊 左右違う色の瞳を持った者は、賜(たまもの)持ちと呼ばれ、何らかの才能に恵まれて生まれつく。ミッドランズの王姪カーツァは殺しの賜を持ち生まれた為、王の暗殺者として使われて恐れられていた。しかし、その一方で彼女は王たちの暴虐から人々を救う秘密組織を作っていた。ある時、リーニッドの王父を救出した彼女は、祖父を探しにきた賜持ちの王子、ポオと共に、王父をさらった黒幕を探すことになるが…。 左右の目の色が違う人間に、賜と呼ばれる特別な能力がある…という設定は何となくラノベ的。実際ヤング・アダルト向けに書かれているので、舞台設定や世界観もスッキリ入ってきて読みやすい。賜、といいつつも能力は役に立つ物から立たないものまで様々。どんな能力であれ、傍目に賜持ちであるとハッキリ分かってしまい、他人からは疎まれる。本人にとっては恵みであるよりも、重荷である事が多いのですが、そのハンデを抱えた若者たちが、自分の力で運命を切り開いていく。という、爽やかな青春小説。ちょいとキツイ描写もありますが、逃避行というとどうしても雪山になるのだなあ。 自分の思うように生きられるようになってからのカーツァは、闘うヒロインの本領発揮して魅力的。そしてカーツァを導いているようにみえたポオが苦難の末に、自分のあるがままの姿を受け入れられるようになる。結局成長するということは、自分をそのままの姿で受け入れるという事なのかもしれません。 本国ではすでに第二部として本編の過去に起きた出来事が語れており、三作目が6年後の話になる予定だとか。タイトルからすると本編でも活躍していたビターブルー女王が主人公になるのかな?6年後だと16歳か。過去編はちょっと暗そうな雰囲気なんだけど、1作目が面白かったので2作目、3作目が翻訳されるのを期待してます。
by yamanochika
| 2011-06-13 02:13
| SF・FT
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