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シュトヘル 1~5



伊藤 悠 著 小学館ビッグスピリッツコミックス

他の漫画を買った時に入っていた広告が気になって購入。結局1巻買ってから5巻まで一気買いしてしまった…面白かったー!何と言っても絵が上手いので、アクションシーンに見入ってしまう。
お話は、13世紀に滅んだ西夏の文字を巡る物語といえばいいのかな。人が死んでも誰かがその人の名前を覚えていれば、存在そのものが消えてしまうわけじゃない。その人の事を記した文字が残れば、本人を知っている人が死に絶えてしまっても何百年後になっても消えずに生きていける。その西夏の文字を残そうとする人たちのお話です。

現在の高校生須藤が、鈴木さんという女の子との出会いから、13世紀モンゴルで、モンゴル兵を殺しまわり処刑されたシュトヘル(悪霊)と呼ばれる娘の肉体に甦る。シュトヘルを助けようとしたモンゴルに属する部族の族長の息子、ユルール。ユルールの兄で、モンゴル側の将軍となったハラバル。そのほか謎の尼僧ヴェロニカも加わって、西夏文字を残そうとするユルールと、滅ぼそうとするモンゴルの争いが始まる。といってもユルールがやっているのはモンゴルから逃げて、彼らがやってこない所まで文字を逃がそうとすることなんですが。何で須藤が出てきたのかなーと考えると、現代人の目から13世紀モンゴルの状況を客観的に見せるためなんでしょうか。

良く分からないけどキャラクターは魅力的。須藤が何もしないで現在へ戻ってしまうと、そこでは西夏の存在自体が消えてしまう。ってことで奮闘するわけですが、一度はユルールによって殺し合いをするだけではない生き方を知ったシュトヘルが、死から甦った後は文字通りの悪霊になってしまってるのが切ない。シュトヘルはユルールの為に命を捨てたのに、その事すら忘れてしまうなんて。

ユルールとお兄ちゃんのハラバルの関係もちょっとキュンとするのよね。庇護する子供から対立する相手となったユルールと対峙した時、ハラバルはどうするんだろう。よく考えたらこの二人兄弟といいつつ実は血がつながってないような。そして大ハーンは作中で出てくる時は常にやってる場面なのでその偉大さがいまいち分からない(笑)コミックス派だから雑誌だと凄いところも出てるのかなー。何にしても続きが楽しみ。
by yamanochika | 2012-03-26 22:50 | 漫画色々
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