宮部みゆき著 文藝春愁刊
三島屋百物語の3作目。 短いお話が何本か入っている中、作品中で百物語をする話もあり、更に短い挿話が挟まれていて本当に百物語を読んでいる感覚。表題作の泣き童子は本編中でも一番の後味の悪い話。どこでボタンを掛け違えてしまったのか、どうしたらこんな恐ろしい事にならなかったのか、考えてしまう。 逆に、百物語がされる「小雪舞う日の階段語り」はほっこりとした気分で終われる、気持ちのいい話なんですが。不思議な話というのは、怪異が何故おきたか誰にも分からない、謎のままで終わるから怖いのだな、と思います。理屈が分かってしまえばそれは謎が解き明かされて世界が元に戻るミステリであって、怪異話ではなくなってしまうからなんですが。 一番最初の話に出てきた謎の商人が再び登場。おちかの前に出てきたわけではありませんが、悪とも善とも言い切れない姿がまさに怪異にふさわしい。
by yamanochika
| 2013-10-17 00:25
| 国内作家
|
カテゴリ
以前の記事
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||