ジョゼフ・ディレイニー著 東京創元社刊
魔使いシリーズの最終巻。表紙はグレゴリー爺さん。 大団円とはいかなかったけど、魔使いであるジョン・グレゴリーと、その弟子トムが子供から青年にまで成長した物語としては綺麗に幕が下りていたと思います。グレゴリー爺さんが弱っていくにつれ、トムが成長して魔使いとしての仕事をこなしていくようになる。世代交代や、師匠を乗り越えて大人になっていく過程が寂しいけど良かった。今回のエピソードでは、村の男に呼び出されて魔女と告発された女性と対面する話が一番好きです。こういう村のもめごとの解決も魔使いの仕事の一つで、本当か、本当でないかの見極めが大切だと言うところが。ここのところずっと、魔王や恐ろしい敵との戦いが多かったけど、こういう日常に根差した話の方ももっと見たかったな。 大団円といかないというのは最終巻になって敵の焦点がぶれたというか、新しい敵が現れて魔王との戦いの結着が話の盛り上がりでは無くなってしまったからなんですが、最後にきていきなりアリスがああいう風になるとは!ここまで時間をかけてアリスとトムの友情とそれが発展していく所見守ってきたので、新シリーズの構想の為とはいえアリスの行動にもやもやしてしまう。それが大人になるということなのかもしれませんが、このシリーズはこのシリーズでスッキリまとめて欲しかったなあ。 それでも、ジョン・グレゴリーが魔女に呪われたような結末を辿ることなく、彼の生に見合った最後を迎える事が出来て良かったです。そして最終巻になってもグリマルキンはやっぱりかっこよかった。 既に新シリーズも出版されているそうですが、今回モヤモヤを抱えながら終わってしまったので、新シリーズも読んでみたい。
by yamanochika
| 2015-05-09 17:01
| SF・FT
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