スティーブン・キング著 文藝春刊
シャイニングの続編 かがやきを持つ子供ダンはあの後どう生きていったのか。 オーバールックから生き延びた親子の物語とやがてダンがかがやきのもたらすものから逃れる為に酒に溺れるようになったことと、どん底からの立ち直りとが冒頭で語られていく。 ホスピスに勤めるようになった自らの力を生かし死にゆく人々が安らかに眠れるように末期に寄り添い、ドクター・スリープと呼ばれるようになる。やがて物事はすべて循環していくという言葉通りに、かつての自分より大きなかがやきを持った少女アブラの師匠として、彼女の持つ生命力を狙う空っぽの悪魔たちと戦う事に… シャイニングと言えばキングの長編の中でも屈指のホラー作品として有名です。確かに閉ざされた場所での幽霊屋敷ものとしての恐怖と閉塞感は群を抜いていますが、何より印象に残るのは父親の息子への強い愛情。徐々に狂気に襲われ愛する息子を自らの手で殺してしまいそうになる事の恐怖。家族の物語であり、悲しい話だというのが読後の感想でした。 そしてその家族の物語としてドクター・スリープはシャイニングをしっかり引き継いだ物語になっていると思う。すべての物事は循環し、元に戻っていく。ダンの物語の総決算を迎えるのがあの場所になるのも、幕切れとして相応しい。そしてダンとアブラを助ける最後の一助となるのが彼だというのがすごく嬉しかった。親子の物語にようやくピリオドがうたれた。そんな感じです。 登場人物では最初にダンに救いの手を差し伸べるビリーと、アブラの曽祖母コンチェッタが印象に残ってます。少し不満点が残るとしたら敵でありアブラを狙う連中がショボいところか。
by yamanochika
| 2015-08-01 14:43
| SF・FT
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