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リチャード三世「殺人」事件

エリザベス・ピーターズ著。扶桑社ミステリ文庫刊。

E・ピーターズって書くとエリスだかエリザベス何だか分からないよね。というわけで最初エリス・ピーターズと勘違いしてました。ごめんなさい。

リチャード三世の無実を信じるリカーディアン達。リチャード三世の無実を証明する手紙が手に入り、そのお披露目会をリチャードの子孫の屋敷で盛大に行うことになったのだが、その集会で、彼らが扮装する人物の逸話に併せて参加者に不愉快ないたずらが仕掛けられる。これは一体誰かの悪ふざけなのか、それとも何か恐ろしい事件の前触れなのか。リカーディアンの同僚に連れられて屋敷を訪れた図書館司書のジャクリーンは推理を巡らせるが…。


既に死んでいる人物に対し、「殺人」も何もないのだけど、本編読み終わってみると、確かにまあ「殺人」事件なわけなんですよね。リチャード三世の擁護論としては最も有名であるジョセフィン・テイの「時の娘」へのオマージュなんかも交えつつ、色々な方向からリチャード三世の事績について語られているのが面白い。基本は、ジャクリーンに夢中になっているトマス視点からのロマコメがメインなので読みやすいし、ミステリとしても、歴史雑学としても楽しめる。
by yamanochika | 2007-02-19 01:42 | 海外ミステリ
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