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サム・ホーソーンの事件簿5

エドワード・D・ホック著。創元推理文庫刊。

ノースモントの医師、サム・ホーソーンが不可能犯罪を解き明かすシリーズの5冊目。いよいよ第二次大戦の影が濃厚になり、サム先生が扱う事件にも、ヨーロッパでの大戦の影響が見えはじめます。しかし、よくこれだけトリックやストーリーを考えつくなーと作者のホックには感嘆してしまう。珍しくも専業の短篇作家で、このシリーズ以外にもたくさんの不可能犯罪物を書いている人だけど、トリックというものを話の主軸に据えて生かすには短篇しかないな、というのを実感させられる。

今回収録の話では、二段落ちが多かったんだけれど、「消えたロード・ハウスの謎」は謎そのものよりそういう行為をする人間の心が怖い話。「混み合った墓地の謎」「田舎道に立つ郵便受けの謎」。どちらも解き明かされるとなるほど、と思うんだけど謎解きをきくまではさっぱり分かりませんでした。後は、話の印象というよりも、小さな田舎町の割に町長の死亡率が高いなーっていうのが心配になった。ノースモントの町では町長になると天寿を全うできないというジンクスが出来つつあるんじゃないの。
by yamanochika | 2007-06-25 02:09 | 海外ミステリ
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