レックス・スタウト著。 ハヤカワ・ミステリ刊
図書館で取り寄せして読んだのですが、初見のつもりだったけど、前にも読んだことがあるような、ないような。思い出せない…。しかし訳文古いなこれ。
ネロ・ウルフの事務所に近所の少年が相談に訪れる。交差点で車の窓ふきのアルバイトをしている少年は、黄金の蜘蛛のイヤリングを着けた女に、窓越しに助けを求められた、というのだ。女の脇には拳銃をもった男がいて、少年が何をする暇もなく走り去ってしまったという。ネロ・ウルフとアーチーは少年の話を適当にあしらうが、翌日少年は交差点でひき逃げされて死亡する。しかも少年をひき逃げした車のNoは昨晩少年の話に出てきたものと同じ番号だった。無くなった少年から貯金箱に入った4ドルで事件解決を依頼されたウルフは捜査を行うことになったが…。
少年探偵を気取るピーター少年の悲劇が開幕となった事件の話。ウルフの話術よりも、アーチーやソール・パンツァーの探偵術が光っているという点で珍しい話。特にソールその他のウルフに雇われて仕事をしている探偵達の仕事ぶりがここまできちんと書かれているのは初めて見たかも。基本的にワトソン役であるアーチー視点の語り口だから、アーチーが一緒にいない時は、詳細が語られてないので。訳文が古くて、単語を現在の言葉に置き換えないといまいち話に入り込めないのが難点。