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アララテのアプルビイ

マイクル・イネス著。河出書房新社刊。

クラシックで安心して読めるミステリが読みたくてアプルビイ警部シリーズを借りてきたんですが、そもそもこの話ミステリじゃなかった…。むしろ作者が昔の海洋冒険ものをリスペクトした、何でもありな話な感じ。

まず冒頭、オーストラリア近辺で観光船に乗っているアプルビイ。しかし第二次大戦中のこと、乗客がいたテラスルームを残して船は魚雷により沈没。彼らはノアの方舟のように二週間さまよったあと孤島にたどり着きます。この後孤島でロビンソン・クルーソーを気取ったり、いきなり原住民が現れた後、宝島に突入したりするわけですが、ここまであちこち話が飛ぶと何が何だか。話の中で一応殺人事件が起き、アプルビイが捜査をしたりもするんですけれど、かなりこじつけなんだよなあ。主人公達が対立するのがドイツ人なのもあってやや人種差別の雰囲気もあり。

全体的に色々なものが切り張りされていて、訳分からない話というのが全体的な感想でした。話としてはつまらないわけではないんですが。
by yamanochika | 2008-01-14 02:00 | 海外ミステリ
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