人気ブログランキング | 話題のタグを見る

魔使いの弟子

ジョゼフ・ディレイニー著。東京創元社刊。

7人目の息子の7人目の息子、トムは普通の人には見えない物が見える。農場を出て独り立ちするために父と母が選んだのは魔使いへの弟子入りだった。魔使いは7人目の息子の7人目の息子にしかなれない職業なのだ。人間に悪さを働く邪悪な精霊(ボガード)や魔女を退治する仕事に、恐がりのトムは一人前になれるのだろうか。

魔使いシリーズの1作目。既に2を先に読んでいるのでアレなんですが、この作品の魅力は何か、と言われれば魔使いの設定が一番に挙げられる。普通の人には見えない物が見え、直感が優れているとは言っても魔使いには特別な能力があるわけではない。ただ自分の勘と知恵と技術だけを使って恐ろしい者達と対決する。それこそ命懸けの仕事だが、邪悪な者達との係わりが在るために、普通の人々からは忌み嫌われて、孤独な道を歩まざる得ない。

派手なアクションが在るわけではなく、むしろ闇の中を蝋燭の明かり一つでひたすら歩かなければならないような暗さと恐ろしさのある話なんだけれど、彼らの活躍から目が離せないのはその知恵と努力に惹きつけられるからだと思う。

それにしても、グレゴリーじいさんのつま先がとがった靴を履いた女の子には気をつけろ、って女で失敗したんかいな、と思っていたらその通りだった。アリスとの出会いが分かってスッキリ。アリスはこれからもトムの人生に深く関わってきそうですね。
by yamanochika | 2008-06-15 14:28 | 児童文学
<< 魔使いの秘密 桃のデザートには隠し味 >>