青木祐子著。コバルト文庫刊
冒頭の手紙のやり取りが、もどかしくて焦れったいよう雰囲気がして、悶えました。今回は、クリスとシャーリーの想いが通じ合ってからの初めての話なので糖度が高め。何度も手紙をやり取りして、ようやくデートにこぎ着けて、でも上手く会えなくて、みたいなもどかしさや、何より相手に会いたくて仕方がない二人の描写が。シャーリーのぐるぐる回りながらの乙女っぷりは相変わらずなんですけど、クリスも恋愛に溺れていて、初々しくて可愛らしい。シャーリーのクリスに関するモノローグがどんどんグレードアップしているよ。 この子供が!といいつつエドに大人げない振る舞いをするシャーリーさん。なんて余裕のない。その後ろであたふたしているアントニー含めてお気に入りの描写です。 話の方は、塩ひとつまみの言葉どおり少し苦くて、クリスを仲間に引き入れようと暗躍しているミセス・コルベール達や、二人の恋愛が身分違いで成就するのが難しい事もあって、結構暗いんですよね。クリスを苦しめる為ならパメラにも何かしてきそう。そしてシャーリーはただの間違いだって気にしていなかったけど、次刊辺り本人が知らない内にアディル嬢との婚約が成立していそうです。何だか今後は苦しい展開になりそうで心配だ。 それにしても、コーデリアの事も息子の事も何も考えていないし、理解もしていないヘンリーの無神経さには腹が立つ。アップルの事だけは大切にしているように見えるけど、アップル本人の気持ちは考えてないですよね。自分の権力が及ぶ貴族に嫁がせれば幸せになれるだろうなんて思い上がりもいいとこ。いつかコーデリアをどれだけ苦しめてきたか、それだけでも理解して欲しい。 そんな中、今回の清涼剤は男前度がいつもよりアップしていたパメラさん。イアン先生とも上手くいって欲しいけど、アントニーにも頑張って欲しい。でもどちらかしか選べないからなあ。まあ今現在、パメラが選んでいるのはクリスなんですけどね。アントニーも、パメラを好きになっていい方向に変わってきたし、パメラの、そういう人に与える雰囲気が好き。
by yamanochika
| 2008-09-04 01:09
| ライトノベル
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